2013年01月11日

The Doubleを読んだ

【書評】「The Double」Jose Saramago著 Margaret Jull Costa訳 ★★★★★

英語訳を読んだのだが、もともとポルトガルの本なんだそうだ。ちなみに著者はノーベル文学賞を受賞したポルトガルの人気作家だそうだ。そんなわけでオリジナルのポルトガル語バージョンがそうなのかどうか判断できないが、この本の一番の特徴はたぶんその独特な語り口だろうと思う。




ひとつの文章がとにかく長い。更に言うならやたらと理屈っぽい。作家の描写も理屈っぽければ、登場人物の思考回路も理屈っぽい。登場人物の空想と現実の出来事がしばしば連続して語られ、時として作家が読者に直接語りかけたりする。最初は面食らったが、読み進めるうちに主人公の白昼夢に迷い込んだような不思議な感覚を覚えた。その足元がふらつくような危うい感覚が、語られている出来事の異常性を増幅し、この作品の世界に引き込まれていく。

ごく普通の学校教師がたまたま借りた映画のビデオに、自分と瓜二つの役者が端役で出演しているのに気づき、その役者の正体を追求しはじめるという内容だ。単に似ているというレベルではなく、ほくろの位置や顔のしわ、昔の傷跡などすべて一致する完全なコピーで、後に誕生日まで同じであることが判明する。そしてちょっと意外で衝撃的な結末が淡々と語られる。

最近日本語訳も出版されたようだ。まだちょいと高いので、そのうち文庫本かKindle版が出たら日本語版も読んでみようと思う。
タグ:洋書 Kindle 小説
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2012年12月29日

日本語が使えるKindle用メモアプリNotePad Plus

以前Kindle2用のアプリNotePadをこのブログでも紹介したことがあるが、このアプリKindle Paperwhiteには対応していないらしい。Paperwhiteで使える似たようなメモアプリがないか探してみたら、あった。Notepad Plusという。単にメモを取るだけでなく、フォルダを作れたりカレンダーを内蔵していたりと、オマケがいくつかついてくる。残念ながら今のところアメリカのAmazonでしか買えないが、アカウント統合をしている人なら、居住国設定をアメリカに変更すれば購入可能だ。





《日本語が使える》

アメリカでしか売ってないアプリなので、どうせ英語しか使えないだろうと思い込んでいて、そのつもりで使い始めたのだが、なんと日本語入力ができる。当然ながらメニューや説明は英語のみだが、日本語でメモが作成できるだけでもだいぶ助かる。ちょっとびっくりした。とはいえ、文字の入力は端末の入力方式に依存しているようで、日本語入力ができるのは日本語版Kindleのみのようだ。過去に購入した英語版Kindleでは英語しか使えない。

《カレンダー連動》

標準でDiaryとTaskというフォルダがついていて、それぞれ内臓のカレンダーと連動している。Diaryフォルダは日記を書くためのものだが、別に日記を書かなくても普通にメモをこのフォルダに作成しておけば、日付で探すときに便利だ。Taskフォルダにアイテムを作成すると、チェックボックスがついてくる。Taskを完了したときにチェックすればいいというシンプルなものだ。



《ちょっと残念なところ》

まずはひとつのメモに入力できる文字数が、以前のNotepadに比べれば大幅に増えたものの3100文字に限定されることだ。まあ、この端末でそれほど長文を書くこともないので普通に使う分には十分だろう。

それから、作成するメモの数に制限はないが、表示できるのはひとつのフォルダにつき100件までだそうだ。つまり100件以上のメモがある場合は、表示されないメモがある。これも、フォルダをたくさん作成することで回避できそうだ。

一番残念なことは検索機能がついていないことだろう。ちなみに端末の検索機能を使ってみたが、NotePad Plusのコンテンツには検索が利かなかった。これは是非改善してもらいたいので、製造元にメールで要望を出しておいた。

《注意事項》

このアプリ、Kindle2以降のほとんどの端末で使えるようだが、Kindle Touch等一部の端末では作成したメモの編集や削除ができない等の不具合があるようだ。以前の端末を使っている人は購入前にユーザー・レビューを確認した方がいいだろう。



関連記事:
Kindle用テキストエディタNotepadを使ってみる
アメリカ限定版Kindleを買ってみた
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2012年12月28日

天才柳沢教授の生活(1)を読んだ

天才柳沢教授の生活(1)山下和美著 ★★★★☆

20年ほど前のことだと思うが、漫画好きの友人に「この主人公、お前の親父さんによく似てるぞ」と薦められ、1話か2話読んでみたことがある。当時の漫画は娯楽色が強いものというイメージが一般的だったので、中年親父が主人公というのが意外だった。しかも、亀有の両さんのようなハチャメチャな親父ではなく、うちの父と似ているという。



当時の父は民間企業に勤める真面目だけが取り柄のサラリーマンで、多少まじめの度が過ぎて変人扱いされることもあったが、至って平凡な人物だった。そんなもん題材にして娯楽作品になるのだろうかと、訝しながら手に取ったことを覚えている。

読んでみると、この作者もしかしてうちの父を見ていてこの作品を書いたのじゃないかと思うくらい柳沢教授の一挙手一投足は父そのものだった。70歳を目前にして突然運転免許の取得を思い立った父は、道交法を丸暗記して試験に臨み、免許取得後は若葉マークと枯葉マークを同時に装着して周囲を呆れさせたものだ。法廷速度を遵守し周囲の交通を乱していたらパトカーにもっとスピードを出して流れに乗るよう注意されたこともある。ただ、父は柳沢教授と違ってダンスの素養はない。

そんなわけで、私にとっては日常的にごく普通に接している光景と類似したものが淡々とつづられているわけで、父に対するものと同じような親近感は覚えたものの、やっぱりこんなもんが一般的に面白がられるものかよくわからない。とはいえ、この作品かなりの人気だったようで単行本でも30巻以上出版されている。世の中何がうけるかわからない。

その人気のおかげかKindle版で復刊された。今は525円だが最近まで99円だったので、懐かしさもあって買ってしまった。日本のKindle本もアメリカみたいにセールをやるようだ。500円出してまで買うほどではないので、2巻目以降は次のセールを待つことにしよう。
タグ:Kindle 漫画
posted by Fion at 17:38 | Comment(0) | TrackBack(0) | 読書感想文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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