【洋書:スター・トレック】
スター・トレックの世界観は、TVシリーズのみではなく、たくさんの書籍でも補完されている。今日紹介する2冊はその中でも、もっともどうでもいい本かもしれない。以前は紙バージョンのみで売っていたので、日本で入手するのはちょっと面倒だったが、今はどちらもKindle版電子書籍になっている。スター・トレックシリーズで登場するエイリアンはたくさんいるが、1960年代の最初のシリーズ(TOS)から、最新のエンタープライズ(ENT)まですべてのシリーズに登場する「クリンゴン」は、シリーズ中もっとも愛されているエイリアンの一つだと思う。そして新スター・トレック(TNG)で初登場し、ディープ・スペース・ナイン(DS9)で開花した「フェレンギ」も印象深いエイリアンだ。
クリンゴンというのは勇敢で好戦的な種族で、当初はもっぱら敵として登場していたが、後に惑星連邦と同盟を結び、頼もしい同志となる。名誉と伝統を重んじる人たちだが、もめ事の解決方法はもっぱらタイマンを張るという、ある意味わかりやすいところが愛されているんだろう。クリンゴン人は見た目の恐さとは裏腹に、豊かな文化を持っているようで、TVシリーズのエピソードなどでその片鱗が紹介されることもある。クリンゴン同士の会話では、独自の言語であるクリンゴン語が使われることも多く、異星人でもクリンゴン語を話すと信用されやすかったりする。
この本は、そのクリンゴン語の辞書だ。簡単な文法の説明も載っていて、結構本格的だ。実はこの本、別のTVシリーズ「The Big Bang Theory」の番組中で登場している。理系オタクたちがたむろするアパートの隣人に、金髪美人が引っ越してきたというコメディドラマだが、この中でオタクたちが時々遊んでいるゲームが「クリンゴン・ボグル」というワードゲームだ。「ボグル」というのは、提示されたアルファベットを並べ替えて単語を作るという単純な英語のゲームだが、彼らはそれをクリンゴン語でやっているというわけだ。
この番組の放送時には、そんなゲームは少なくとも流行ってはいなかったようだが、これ以降ディープなトレッキーの間でクリンゴン・ボグルがプレーされているようだ。この辞書はクリンゴン・ボグルには必須だろう。残念ながら日本語の翻訳は出ていないが、クリンゴン語と一緒に英語も勉強できるお得な一冊だ。もっとも、クリンゴン語を習得したい人がどれだけいるかは疑問だ。
もう一つディープなトレッキーにうけそうな本がこれだ。日本語にすると「金儲けの秘訣」だ。フェレンギ人は主としてディープ・スペース・ナインに登場するチビで耳がでかいエイリアンで、金儲けを生きがいとしている。彼らは「金儲けの秘訣」という金科玉条を常に行動の指針としていて、番組中でも時々披瀝される。この本は、それをまとめたものだそうだ。
番組中に登場するフェレンギ人の言うところによれば、「金儲けの秘訣」は正式には全部で285条あるそうだが、そのすべてが番組中で紹介されたわけではない。この本は、番組で使われた70余りの金儲けの秘訣がまとめられている。全部が網羅されているわけではないということで、不満を表明している読者も結構いるが、これはこれで面白い。
「自分よりいい服を着ているやつは信用するな」とか、「リスクがでかいほど儲けもでかい」「腹が減っているときに商談をするな」「女と金儲けをごっちゃにするな」など、フェレンギじゃなくてもすべてのお金が好きな人に、実際役に立ちそうな格言も多い。クリンゴン語はともかく、こっちは和訳が出てもいいような気がする。
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posted by Fion at 18:25
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