2013年01月12日

Kindleのアカウント統合で良いこと、困ること

日本のアマゾンがKindleストアをオープンするのを待ちかねて、アメリカのAmazonで電子書籍を買っていた人も多いと思う。私もその一人だが、日本版Kindle発売を首を長くして待っていたので即購入した。当初の大きな懸念のひとつは、これまでアメリカで買いためた電子書籍の数々を、日本版Kindleでも読めるかどうかだったが、Amazonはアカウント統合というソリューションを用意してくれた。

要するにアメリカのAmazonのアカウントと日本のAmazonのアカウントを統合して、どちらのショップで購入したコンテンツもひとつのライブラリーにまとめて扱えるというサービスだ。まあ、Kindleのヘビーユーザには当たり前の話なので、知ってる人は読み飛ばして欲しい。



早速私もアカウント統合をやってみた。統合するにあたっての注意点としては、いったん統合してしまったら、アメリカか日本のどちらかのショップを選ばなければならないという点だ。つまり、たとえば日本を選択した場合、日本のKindleショップからしか電子書籍を購入できなくなり、アメリカ向けサービスのうち日本で提供されていないものは利用できなくなるという不利益を甘んじなければならない。アメリカでしか売っていない本も多いし、アメリカのKindle本はしょっちゅうディスカウントセールや無料キャンペーンをやっているので、それはちょいと困る。

とはいえ、いったんどちらかの国を選択したら変更できなくなるのではなく、簡単な手続きで行ったり来たりすることも可能だ。


《居住国設定の変更方法》

アメリカでも日本でもどちらのアカウントでもかまわないが、アマゾンのサイトにログオンして「My Kindle」(アメリカ版は「Manage Your Kindle」)のサイトを開き「居住国設定」で変更ボタンをクリックすればよい。

ただし、日本からアメリカに変更するときにはちょっとコツがいる。アメリカのアマゾンのアカウントに日本の住所を設定して登録している人も多いと思うが、Kindleの居住国設定を変更する際には、アメリカ国内の住所を登録するように求められる。

アメリカに親類・知人がいる人はそこを使わせてもらってもかまわないだろうが、そうじゃない人はちと困る。私の場合は、かつての勤め先の本社住所を登録していたこともあるが、リストラされて使用がはばかられるということもあり、以前このブログでも紹介した転送サービスを利用することにした。

要するに国外からアメリカ国内向けの通販で買い物したい人向けの転送サービスだが、登録するとアメリカ国内の住所がもらえる。この手のサービスをしている会社はいろいろあるが、探せば登録(つまり住所を貰う)だけなら無料というところもある。

《居住国が日本のままでもできること》

アカウント統合すると、日本で提供されていないサービスの一部も利用することができるようだ。たとえば電子書籍の貸し借りだが、日本のKindleでは利用できないが、アメリカのアカウント経由で貸し借りができるようになっている。今のところ日本語の電子書籍は貸し借りの対象外のようだが、日本のAmazonで買った英語の書籍も貸し借りできるようだ。この機能を使ってアメリカの図書館から本を借りることもできる。

もっとも貸し出し設定は出版元の意図で設定されるのだが、そもそも貸し出しに対応しているコンテンツが多くない - というか人気作品はたいてい対応していないので、それほどありがたみがあるわけではない。


《居住国設定を簡単に変更できても困ること》

私はとりあえず居住国設定をアメリカに設定している。単純にアメリカのアマゾンの方がたくさん本が売っているからだ。たいていの場合円高の効果もあって、向こうの値段のほうが安い。バーゲンや無料キャンペーンも多い。日本の本が買いたいときだけ日本に設定変更して買うというわけだ。だが、困ることもいろいろある。

定期購読の強制解除

日本ではまだ始まってないが、アメリカのKindleストアには雑誌や新聞等の定期刊行物や、定期配信されるブログ等のコンテンツがある。定期購読を設定すると、毎月購読料を勝手に払ってくれてコンテンツが勝手に配信されてくるという、横着者にはありがたい機能だ。しかも、紙バージョンよりかなり安い設定になっている。

アメリカから日本へ居住国設定を変更すると、これらの定期購読が強制的に解約されるという恐ろしい設定になっている。もっとも、またアメリカに居住国設定を戻して、定期購読の設定をしなおせばいいのだが、タイミングによっては同じコンテンツを2度購入することになったり、購読料が二重取りされることになる。


アプリの強制解除

もうひとつ困るのが、スマホやパソコン用にダウンロードして設定したKindleアプリも強制的に解除されてしまうことだ。Kindleの端末を忘れて外出したときや、本につけたメモを編集するときなど、スマホやパソコンのKindleアプリを使うことがあるが、居住国を変更するたびにこれらの端末が解除されてしまうのだ。

その場合IDとパスワードを設定しなおし、コンテンツをダウンロードしなおすという作業が必要になる。どこまで読んだかとか、本につけたメモは同期されるので、それほど困るわけではないが、かなりめんどくさい。




関連記事:
アメリカ限定版Kindleを買ってみた
日本にいながらアメリカの図書館で電子書籍を借りる
posted by Fion at 10:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | キンドル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年12月29日

日本語が使えるKindle用メモアプリNotePad Plus

以前Kindle2用のアプリNotePadをこのブログでも紹介したことがあるが、このアプリKindle Paperwhiteには対応していないらしい。Paperwhiteで使える似たようなメモアプリがないか探してみたら、あった。Notepad Plusという。単にメモを取るだけでなく、フォルダを作れたりカレンダーを内蔵していたりと、オマケがいくつかついてくる。残念ながら今のところアメリカのAmazonでしか買えないが、アカウント統合をしている人なら、居住国設定をアメリカに変更すれば購入可能だ。





《日本語が使える》

アメリカでしか売ってないアプリなので、どうせ英語しか使えないだろうと思い込んでいて、そのつもりで使い始めたのだが、なんと日本語入力ができる。当然ながらメニューや説明は英語のみだが、日本語でメモが作成できるだけでもだいぶ助かる。ちょっとびっくりした。とはいえ、文字の入力は端末の入力方式に依存しているようで、日本語入力ができるのは日本語版Kindleのみのようだ。過去に購入した英語版Kindleでは英語しか使えない。

《カレンダー連動》

標準でDiaryとTaskというフォルダがついていて、それぞれ内臓のカレンダーと連動している。Diaryフォルダは日記を書くためのものだが、別に日記を書かなくても普通にメモをこのフォルダに作成しておけば、日付で探すときに便利だ。Taskフォルダにアイテムを作成すると、チェックボックスがついてくる。Taskを完了したときにチェックすればいいというシンプルなものだ。



《ちょっと残念なところ》

まずはひとつのメモに入力できる文字数が、以前のNotepadに比べれば大幅に増えたものの3100文字に限定されることだ。まあ、この端末でそれほど長文を書くこともないので普通に使う分には十分だろう。

それから、作成するメモの数に制限はないが、表示できるのはひとつのフォルダにつき100件までだそうだ。つまり100件以上のメモがある場合は、表示されないメモがある。これも、フォルダをたくさん作成することで回避できそうだ。

一番残念なことは検索機能がついていないことだろう。ちなみに端末の検索機能を使ってみたが、NotePad Plusのコンテンツには検索が利かなかった。これは是非改善してもらいたいので、製造元にメールで要望を出しておいた。

《注意事項》

このアプリ、Kindle2以降のほとんどの端末で使えるようだが、Kindle Touch等一部の端末では作成したメモの編集や削除ができない等の不具合があるようだ。以前の端末を使っている人は購入前にユーザー・レビューを確認した方がいいだろう。



関連記事:
Kindle用テキストエディタNotepadを使ってみる
アメリカ限定版Kindleを買ってみた
posted by Fion at 13:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | キンドル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年12月15日

Amazon純正「Send to Kindle」がなかなか良い

Webサイトの記事をKindleに送るサービスについては以前にもいくつか紹介したが、しばらく前にAmazon純正の「Send to Kindle」がリリースされた。そこで遅ればせながらちょっと使ってみた。

「Send to Kindle」はGoogle ChromeとFire Fox用のプラグインがある。他にパソコン用とかも配信されているが、Webの記事を送るツールということでブラウザ用プラグインに注目してみる。



《Send to Kindle》

残念ながら今のところ日本のアマゾンでは配信されていないようだが、アメリカのAmazonのサイトで無料で配っている。セットアップはほんの1〜2分で済むが、利用するにはアメリカのAmazonのIDとパスワードが必要になる。

Send to Kindleへのリンク:
Send to Kindle for Chrome
Send to Kindle for FireFox

つまりは日本で買ったKindleだけでは使えないのだが、アメリカのAmazonにもアカウントを持っていれば、日本のアマゾンのアカウントと統合することで使うことができるようになる。

《使い勝手》

私はいろいろ試した結果、以前このブログでも「Kindlebility」として紹介したことがある「Tinderizer」を愛用しているので、それとの比較をしてみたい。

ブラウザで見つけた記事を開いた状態でボタンをクリックするだけで、記事をKindleに送ってくれるという基本的使い方は一緒だ。送った記事がKindleに届くまでの所要時間も大差ない。

レイアウト:Kindleに送られてきたときのレイアウトはちょっと違う。どっちが読みやすいかは好みの問題だろうが、Amazon純正の方がオリジナルのサイトのコンテンツに忠実に変換しているような気がする。

screenshot_2012_12_15T10_06_15+0900.png
Tinderizerのフォーマット

screenshot_2012_12_15T10_07_57+0900.png
Amazon純正Send to Kindleのフォーマット


プレビュー:Amazon純正のSend to Kindleにはプレビュー機能がついている。送る前にレイアウトを確認できるというわけだ。Tinderizerは単純でいいのだが、送ってみなければどうなってるかわからない。たまにレイアウト崩れや文字化けを起こしたりすることもあるので、事前に確認できるのは以外とありがたいかもしれない。

sendtokindle.png
Amazon純正Send to Kindleのメニュー


複数ページの対応:Amazon純正Send to Kindleはなかなか出来が良くて気に入ったのだが、ひとつTinderizerに比べて決定的な欠陥(とまで言えないかもしれないが)がある。よく長めの記事が複数ページに分割されてレイアウトされているサイトがあるが、Tinderizerは複数ページの記事を全部まとめてひとつのファイルに変換してくれるのだが、Amazon純正はそれができない。サイトに表示されているものがすべてだ。

複数ページの記事をKindleに送ることが多い私としては、結局Tinderizerに戻ってしまったが、Amazon純正の出来がいいだけにちょっと残念だ。


※ TindrizerはどうもKindlebilityが名前を変えたものらしい。中身はまったく一緒だ。

関連記事:
Kindlebilityを使う - 無料のKindle用Webクリッパー
posted by Fion at 10:44 | Comment(1) | TrackBack(0) | キンドル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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