2012年01月20日

The Hunger Gamesを読んだ

【書評】Suzanne Collins著 The Hunger Games (洋書) ★★★★☆

ジャンル分けとしては、若者向け冒険小説とかSFとかアクションとかに分類されるようだ。この「The Hunger Games」から始まる3冊からなるシリーズだ。というわけで、★4つの評価は「The Hunger Games」単品としてではなく、3冊全部のシリーズとしての評価としたい。ちなみに個別の評価内訳は以下のとおりだ。

The Hunger Games (1冊目) ★★★★★
Catching Filre (2冊目) ★★★★☆
Mockingjay(3冊目) ★★★☆☆



まあ、簡単に言うと最初の1冊は結構面白くて、一挙に読んでしまって、2冊目も勢いで読んでしまったけど、物語の終盤に近づくにつれてだんだんショボくなってくるという印象を持った。とはいえ、全般的にはなかなか楽しめる娯楽小説だ。Amazonでここしばらく売上トップを続けていたタイトルだけのことはある。もしかしたらドラゴン・タトゥーみたいにそのうち映画化されるかもしれない。

物語の舞台は近未来のアメリカ、といってもアメリカという国は凄惨な戦争により滅び、わずかに生き残った人々がかつてアメリカがあった地域にパネムという国家を成立させている。パネムは「キャピトル」と呼ばれる支配階級が住む首都と、キャピトルに搾取される12の居住区からなる。主人公のカトニスは、その中でも最貧の第12地区に住む16歳の少女だ。

キャピトルは、その支配を絶対化するために毎年サバイバルゲームを開催する。12の地区から男女1名ずつのティーンエイジャーが選出され、ゲームに参加する。最後の一人になるまで殺しあうという悲惨な設定だ。第一部のThe Hunger Gamesでは、カトニスが第12地区の代表としてゲームに参加し、生き残るまでが描かれる。第2部以降では、キャピトルの残忍な支配から逃れるために、各居住区が反乱を起こし、最後に自由を勝ち取るまでが描かれている。

物語は全体を通してカトニスの一人称で語られるため、社会の全体像をつかむのが難しい。こういう書き方は、視野を狭めるというデメリットもあるが、一方で主人公の行動を追体験する過程で臨場感を味わうことができ、また感情移入もしやすくなる。第3部の前半くらいまでは、後者のメリットがうまく生かされていて視野の狭さを補っていたが、終盤に近づくにつれて国家転覆のクーデターという大きな潮流を個人の視点からのみ描ききるのは無理が生じる。

そんなわけで、印象深い場面はいろいろあるが、全体としては少し物足りない印象が残る。もし映画化するときは、終わり方をもう少しうまく演出してもらいたいものだ。



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2011年10月26日

The Sentinelを読んだ

【書評・洋書】Jeremy Robinson著The Sentinel (A Jane Harper Horror Novel) ★★★★☆

2〜3週間ほど前のある日、この本の著者自ら私のTwitterアカウント宛にダイレクトメッセージを送ってきて、これを読んでくれと依頼されたので、それならと読んでみた。ネット時代の作家は、こういう営業活動もするものなのかと、ちょっと感心した。普段は好んでホラーを読むことはあまりないのだが、たまにはいいかもしれない。



主人公のJane Harperは軍人の父親に厳しく鍛えられて育ったかなりタフな女性だ。グリーンランド沖で遭難した船から、命からがら逃げ出した乗員たちが上陸した島は、ゾンビの島だったという話だ。ゾンビらしきものは、実はゾンビではなく謎の寄生生物に操られていた動物や人間だったのだが、はっきりとした正体は最後までよくわからない。船の遭難から逃げ延びた生存者は最初は数人いたのだが、一人また一人とゾンビに襲われ仲間が減っていく。ホラー小説の王道を行くようなあらすじだが、文章のセンスがいいのか、飽きずに楽しめる。

怖がりの人だったら、ビクビクしながら読むのかもしれないが、私はそれほど恐怖は感じなかった。多分主人公のJaneが非常に冷静で、客観的に事態を見ているからかもしれない。でもテンポのよい展開が小気味良く、一挙に読んでしまった。軽いエンターテイメントとしては、なかなか楽しめる作品だ。



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2011年10月14日

Car Guys vs. Bean Countersを読んだ

【書評・洋書】Bob Lutz著 Car Guys vs. Bean Counters: The Battles for the Soul of American Business ★★★☆☆

ビジネス書とかMBAの読み物などとして分類されている本のようだが、著者の意図には反するかもしれないがエンターテイメントの要素が多い著作だ。ちょっと退屈な部分もあるが、全般的に楽しんで読めた。



著者のBob Lutzは実際にクライスラー、フォード、BMW、そしてGMと、有名どころの自動車メーカーを渡り歩いてきた人物で、GMが破綻したときにVice Presidentだった人物だ。タイトルにある「Car Guys」とは車作りをよく知っている現場あがりの人たちを意味していて、「Bean Counters」はスマートな経営者たちを示す。Bean Counterというのは直訳すると「豆を数える人」ということだが、転じて「細かい数字ばかりいじってる人」とか「木を見て森を見ず」といった意味を持つ。著者のBob Lutzは、更にふくらませて、「MBAを持っていて、スマートで頭はいいかもしれないけど、数字ばかり追いかけていて、モノづくりを知らない奴ら」というような定義で使っている。当然著者は、自分を「Car Guy」と定義しているが、実際はかなりのエリートだ。

そんなわけでタイトルから、MBAホルダーの弊害みたいな内容を期待して読み始めたわけだ。中身としては、アメリカの自動車産業が衰退していく過程が描かれているのだが、予想に反して半分以上はアメリカ車を窮地に追い込んだ日本車に対する恨みつらみが、非常に正直かつ主観的に描写されている。あまりにも赤裸々に日本車メーカーを罵っているので、思わず笑いが出てしまうくらいだ。日本車メーカー以外にも、アメ車はダメだみたいな報道ばかりするマスコミや、アメ車に厳しい政策を取った歴代アメリカ政権、日本車やヨーロッパ車を購入する愛国心の足りないアメリカ国民など、あたりかまわず噛みついている。下品にならないギリギリの線で、辛辣に英語で悪口を言うのを学ぶには、非常に良い本だ。

それはさておき、アメリカの自動車産業が元気だった頃から最近までの歴史や、日本車が与えたインパクトなどを、実際に体験した人物の目を通して、コンパクトにまとめられているのは良い。まだ翻訳は出ていないようだが、そのうち出るかもしれない。



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posted by Fion at 09:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | 読書感想文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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