出版社の中には、紙の雑誌や新聞の有料購読者向けに、同じコンテンツの電子版を無料で提供するというサービスをやっているところが多いそうだ。日本の話じゃなくて、主として欧米の出版社の話だ。つまり紙バージョンを買ったお客さんは、希望すれば自分の端末用に同じコンテンツの電子版をダウンロードして電子書籍端末等で楽しめるという仕掛けだ。その一環で、各社iPad用の無料コンテンツも提供しているわけだが、Appleはそれをやめろと言っているわけだ。
Appleにしてみれば、出版各社の紙バージョンの雑誌の販売には全く関与していないわけで、そこから収益をあげることはできない。読者サービスで提供される電子版は、そもそもそれ自体無料なので、デジタルコンテンツの売上に対して課金しているAppleに金は入らない。それは見過ごせないという理屈なんだろう。まあ、Appleの理屈もわからなくはない。Appleが出版各社に出した警告はかなり強気だ。伝えるメディアごとにニュアンスは少し異なるが、バクッと言うと「無料版を出すなら、手数料を払ってApp Store経由で出せ、3月末までにApp Storeに登録しないと無料コンテンツを削除する」てな感じだ。
そういえば、昨年暮れにiPad用電子雑誌の売上が低迷しているという記事もあちこちに出ていた。これは主として紙バージョンと大して変わらない内容なのに紙バージョンより高いのが原因だったようだが、いずれにしても電子雑誌や新聞が、Appleが期待したほど収益が上がっていないんじゃないだろうか。でなければ、これほど強硬に無料コンテンツの配布に噛み付かないだろう。
さて、これを受けて出版各社はどうするんだろう。いくつかはAppleの意向を受けてApp Storeに金を払って無料コンテンツを配信するだろうけど、電子版配信の代わりにWebサイトで見られるようにするとか、RSSで配信するとか、いろんな逃げ道を考え始めるような気がする。中には、「iPad以外は無料電子版を提供します。」なんて所も出てくるかもしれない。あんまりAppleに旨みはないような気がするが。
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Kindle・kobo・Google等色々逃げ道はある。
電子書籍だけでなく紙書籍もデジタル化で無料化したらよい。
電子書籍だけでなく宅配食品日用品も無料化
大量消費は終わり無料で必要な人に必要な分だけ提供されるのが当たり前になってゆくと良い。